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夢と志を語ることこそ、正しい社会を作る。輝く個人を増やして日本を元気にする

五十嵐 和也Igarashi Kazuya

株式会社エクスウィルパートナーズ

代表取締役社長

3度目の危機。「足りないのは5000万円程度か。」妻の言葉と仲間に支えられ乗り越える

志師塾をスタートして3年。卒業生が1000人に近づく頃、五十嵐は更なる決意を固めていた。需要が高まるシェアオフィスを拡大しようと、知恵の場オフィス「新館」を立ち上げることにしたのだ。

2017年の事だ。

不思議なことに新しいことを初めた時に限ってまた壁はやってくる。順調に進んでいた新館の立ち上げも想定外の事態に直面することになった。当初予定していた500万の工事費は2000万円にも膨れ上がり、オープンが予定日より2ヶ月遅れたのだ。必然的にそれに伴いキャッシュフロー計画に想定外の事態が起きた。5000万円の借り入れが必要になったのだ。そんな危機をむかえた五十嵐に、再婚した妻の存在が大きな影響を与えることになる。

五十嵐の妻は個人事業主であり、エクスウィルパートナーズのデザイン部門にも携わるデザイナーだ。自身で仕事の舵をとるという意味では五十嵐への理解も大きく、普段は何でも話せる良き相談相手でもあった。しかし、今回ばかりは妻に迷惑をかけるかもしれないという思いに苦しみ、打ち明ける時には離婚も覚悟したという。

「見放されることを覚悟して打ち明けました。すると想像もしなかった妻の返答。放った言葉は『足りないのは5000万程度?それだけか?』だったんです。あまりに強烈な返答だったので、離婚まで覚悟していたマイナス思考の自分に笑えてきましたね。借金の額は男の器だとまで言われ、これから借金をする身にも関わらず気持ちが軽くなりました(笑)」そう話す五十嵐の表情はとても穏やかだった。

経営者にとって家族の理解や支えはとても重要だ。

パートナー次第で事業のスピードやアクセルの踏み込みが大きく変わることを強く実感している五十嵐は自身の妻に心から感謝していると言う。

そして五十嵐はもう孤独ではなかった。資金調達や借り入れに関しては、信頼して相談できる専門家の仲間がいた。施工が間に合わないと知ったパートナー講師たちは、ボランティアでペンキ塗りに駆けつけてくれた。

今の五十嵐には、影で支えてくれる強力なパートナーである妻と信頼できるビジネス仲間がたくさんいる。それは訪れる危機を必ず乗り越えてきたからだ。

仲間に環境を提供したいとシェアオフィス事業にチャレンジし、その時に自分ができることを全てやり尽くした。そして「あの時の辛さに比べれば軽いものだ」「今までも何とか乗り越えてきたじゃないか」というマインドの強さは五十嵐の魅力であり、多くの経営者に勇気を与えている。