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お客様と社員の幸せが 会社の成長を呼ぶ

白石 勇人Shiraishi Hayato

株式会社白石モータース

代表取締役

修行時代。整備~営業までを学ぶ。

メルセデスベンツを取り扱う株式会社シュテルン中央に入社した白石は、最初から規格外の行動に出る。

「『頼まれごとは試されごと』だって、ある本で読んだんです。まずは期待をいい意味で裏切ってやろうと、期待値以上のことをしていこうと決めたんです」

時間厳守は当然のこと。入社初日には、始発で家を出て90分前に到着。周囲の度肝を抜いた。先輩のルーティンをすべて覚えて、掃除や工具の片付けを率先。

「先輩が早く帰れるように、とにかくピカピカに掃除するようにしましたね」

決して派手ではないが、地道に信頼を勝ち取っていく白石には、やがて洗車の依頼が入った。

「絶対に人が触らないような、エアコンの隙間やドリンクホルダーの下なども綺麗にしましたね。お客様からは『そんなところまで綺麗にしてくれてありがとう』って。こうした言葉を励みにしていく内に、整備の仕事が楽しくなっていきました」

次第にエンジン交換など、専門的な業務もできるようになって、白石は自動車整備の奥深さを学んでいくことになる。

しかし、ここで順風満帆の白石に非情な通告が成される。国産の中古車を扱う春日部の事業所へ異動。本社からしてみれば、「いずれ実家では国産の車を扱うのだから」という親心もあったのかもしれないが、白石は人知れず泣いたという。自分は必要とされていないのか、と自暴自棄になったこともあったが、気持ちを切り替えて二年間掛けて後任を育て、黒字化に貢献した。

そして、白石モータースを継ために営業職の経験を積むために東京に戻る事になった。ここでもまた、転機が訪れる。

現在豊洲店の店長/次長である渡邊純一との出会いだ。

その頃シュテルン中央は豊洲に新店をオープンする事が決まっていた。そのオープニングスタッフの一人として、まだ営業経験が浅い白石だったが渡邊から指名を受けたのだ。この出会いが今の白石モータースの経営の根幹になる。

「渡邊さんにチャンスをもらい、引き上げてもらいました。渡邊さんは、何事にもポジティブ。一緒にいると学べることがとても多かったんです。とにかくマネをしようとして、電話の仕方や立ち居振る舞いも似てきて、渡邊ジュニアと呼ばれることもありました(笑)。なかでも原体験を通して一番感じた事は、スタッフのモチュベーションや幸福度が高まると、お客様によりよいサービスが提供できるようになる。という事です。渡邊さんに営業の同行をしてもらうととても楽しく、その雰囲気のままお客様に接する事で、お客様からの紹介や指名も増えていきました。幸せが伝染していく感じでした。」

もちろん、地道な努力も忘れない。カタログをしっかり読み込み、暗記カードを作って通勤電車で勉強して一日も早く戦力になろうと努めた。数年のエンジニア経験があったので、車体価格やオプション以外の部分はすんなりと頭に入ったという。

白石の真面目さが伝わるエピソードがある。

「営業に異動になったばかりの時、先輩がお客様役で私が営業役になってロールプレイをさせてもらったことがあります。その時、お客様役の先輩が『このボタンは何ですか?』と質問したのですが、そのボタンが何なのかわからなくて、顔が紅潮して鼻血が吹き出ました。必死で勉強したにも関わらず、カタログのどこにも載っていない、エンジニア時代にも出会った事がない『ボタン』があったんです。初めてみるその『ボタン』に本当にその時は頭が真っ白になりました。」」

このエピソードは現在もシュテルン中央の新人ロープレの際に、語り継がれているという。