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お客様と社員の幸せが 会社の成長を呼ぶ

白石 勇人Shiraishi Hayato

株式会社白石モータース

代表取締役

1987年生まれ 福島県田村市船引町出身/福島県立小野高等学校卒/日本工学院八王子専門学校卒 趣味:ゴルフ、バイク、釣り
2008年 株式会社シュテルン中央(メルセデスベンツ中央 有明サービスセンター)就職
2012年 メルセデスベンツ豊洲オープニングスタッフ 営業部へ異動
2015年 株式会社シュテルン中央 退職/白石モータース就職
2018年7月 白石モータース 代表取締役 就任(現職)

Index

  1. お客様と社員が喜ぶことを率先して成長
  2. 空手で「礼」を学ぶ。
  3. 「絶対に継がない」--父との確執が雪解けし、進路は急展開
  4. 修行時代。整備~営業までを学ぶ。
  5. 修行を終え社長就任--祖母の急死に悲しむ両親を支えるために
  6. 「社員幸福化計画」で真の地域ナンバーワン企業に

お客様と社員が喜ぶことを率先して成長

「いつの間にかに、こんなに大きくなったのね!」

古参社員は、照れくさそうにお店にやってきた青年に、目を細めて声を掛ける。福島県田村市で自動車販売・整備を行う株式会社白石モータースは、昭和31年創業。かつては父親に手を引かれてやってきた少年が大きくなり、自分で車を買いに来ることもあるという。

三代目社長の白石勇人は、こうした光景に接する度に、お客様に愛されていること感謝し、会社の成長を実感する。祖父から父へ、そして父から子どもへ、三代続いて愛用してくれるお客様も少なくない。

「ガソリンを入れる以外のカーライフサポートの全てを行っている。」

という白石モータースは、お客様のニーズを聞き入れて成長してきた企業だ。元々は先々代社長の祖父が、自動車の運転を教えることから事業はスタートし、自動車の販売、整備と、業務は拡張していった。

数年間にわたり、毎週末にオイル交換を半額にする「オイル祭り」は好評だ。また感謝の意味を込めて創業者の誕生月である10月には、地元の公衆トイレの掃除、近隣の清掃などを行うボランティアデーを開催したり、年二回(春と秋)の感謝祭イベントを通して顧客とコミュニケーションをはかる事もしている。そのおかげもあり近隣住民との関係は言うまでもなく良好だ。地元に根付いた企業として認知されているからこそ、顧客は繰り返し愛用してくれている。

白石が代表取締役に就任したのは2018年の7月。まず真っ先に力を入れたのは、社員教育であり、社員全員からのヒアリングだった。

「社員が幸せだと思うことを家族で話してもらい、それを叶えるためのサポートをすることにしたんです。目標を押しつけるのではなく、社員から出てきた数字を元に、会社の経営計画を立てることを意識しました」

先代の父は、どちらかというとワンマン社長タイプで、自ら先頭に立って目標を定めて引っ張っていくタイプのリーダーだった。対して白石は、「子どもの頃からかわいがってもらっている」という古参社員も含め、全社員との対話を重視し、会社の進むべき道を示しているテック系と言われる今時の若手ベンチャー社長に多いタイプだ。

全員の幸せのためにはじき出した目標を、社員が一丸となって叶えるべく進ていく。その結果、会社の売上金額は右肩上がりで推移している。

「社員の幸せとお客様の幸せが会社の発展につながると信じています。」

いわゆる三者鼎立(ていりつ)の原則を地道に守って事業を続けているのが白石である。若くして代表者になった場合、このような考え方ができるのは幼少期から帝王学を学んだ経営者一族に多いが、白石はどのように身につけていったのだろうか。

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