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全従業員全員経営で日本の美容技術を世界へ。

織田 光一Oda Koichi

株式会社オーエス

代表取締役

素の自分に戻った人生第二幕。中国で新たなストーリーを描く

多くの予想をいい意味で裏切り、織田は会社を立て直した。ただ織田自身は、自分が立て直したとは思っていないという。

「メディア事業のBeauty Parkも、Web関連事業どちらも、私が発案したものではありません。関口が出したアイデアです。また活躍しているメンバーの多くも、関口の指導で成長した者が大勢います。このような優秀なリソースがあったからこそ、今の姿があるのだと思ってます」

先述のような改革で、会社の規模はずいぶんスリムになった。いい意味で、無駄な贅肉が削ぎ落とされたともいえる。だが織田は、再び事業拡大を目指すという。

「雇用の創出、納税という観点から考えれば、事業拡大は社会貢献だと以前から考えていますし、この考えは今でも変わりません。だからこれからも事業拡大を目指します。ただ前のような実の伴っていないようなやり方はしません。そのときに必要な人材を必要なだけ、見定めながら、会社を成長させていきます。その過程で上場も必要であればすると思います」

これからの拡大を担う事業は、冒頭で紹介したBeauty Park 関連の美容事業だ。具体的にはインバウンドだけでなくアウトバウンドだ。日本企業や日本の美容コンテンツが、中国に進出する際の架け橋になるようにサポート・コンサル事業に力を入れていくという。

「美容業界に限りませんが、国内だけでビジネスを展開しては、シュリンクすることは明白です。そこでこれまで築いてきた中国美容業界でのネットワークやノウハウを、日本で美容事業を展開している企業さん、もっと言えば美容師さんやスタイリストさんなどが現地で活躍できるような、そんなお手伝いができればと考えています。同事業を通じて、これまでお世話になった日本の美容業界への恩返しがしたいのです」

BeautyPark玩美花园(ガンビカエン)では、既に日本の美容ならびに美容師などの情報を公開しているが、織田はさらなるアイデアを推し進めている。Facebookが使えない中国で圧倒的な利用者数を誇るSNS、WeChatでのコンテンツだ。まだローンチしていないので詳しくは書けないが、同コンテンツでは日本の美容技術に特化。スマホ動画で技術が学べたり、研修が受けられるなどのサービスを展開していく計画だ。そしていずれは、東・東南アジア全域に展開したいと意気込む。

「今思えば、これまでの私の人生は、どこか虚勢を張って生きてきたのかもしれません。学生時代、本当は家でゆっくりと本を読みたかったのに、周りの友だちにあわせて運動やヤンチャをしていた事。起業も含め、経営陣として従業員の先頭に立ち部下を鼓舞し続けてきた事も。でも今は違います。本来の織田光一、素の自分で振る舞っています。だから毎日がとっても楽です」

40歳を間近に新たなステージに臨む織田の姿は、学生時代に読み漁った数多くの歴史本の中でも特に好きだった作家・宮城谷昌光が描く、大器晩成のストーリーに重ねて見える。

編集・インタビュー:岡本 英久/杉山 忠義 撮影:くさなぎ まこと 

織田 光一Oda Koichi

株式会社オーエス

代表取締役

1982年 東京生まれ 
2003年 有限会社os・コーポレーション 創業(専務取締役)
2006年 株式会社オーエスへ社名変更
2016年 代表取締役 就任
2017年 株主割当増資(資本金2億400万円)
2017年 Beauty Park 玩美花园 オープン