story online

全従業員全員経営で日本の美容技術を世界へ。

織田 光一Oda Koichi

株式会社オーエス

代表取締役

全従業員全員経営。アイデアがあるスタッフには、社歴に関係なくポジションを与え経験値を積んでもらう

織田のスタイルは、前社長とは真逆だった。従業員一人ひとりの意見を尊重するタイプだったからだ。織田曰く「社員からは無責任と言われるほど、本当に私からは何も指示しません(笑)」と笑うように、事業戦略から運営まで全ての領域やフローにおいて、現場メンバーに任せた。以前は開示していなかった売上などの数字も全てオープンにした。自分が携わっている事業の状況を、数字も含め、担当メンバーに理解してもらうためだ。この考えは、同社の理念「全従業員全員経営」としても掲げられている。

「自らアイデアを出し動ける人には、働きやすい環境だと思います。やる気のある、できるメンバーには、年齢関係なくポジションを与えますから。当然、若いうちは失敗することも多いと思います。でも、やり直せばいいだけです。そんな経験を積み重ねて、成長してもらいたい」

織田が代表になってから変わったことは他にもある。会社を去っていった者との関係性だ。以前は、会社を辞めたらそれで終わりだった。でも織田は、一期一会を大切にしたいとの思いで、会社を去っていった者とのつながりを大事にしている。例えそれが、同業での独立であってもだという。

通信事業を手放したことで、営業会社の色は次第に薄くなっていった。同時に、働き方も変わっていった。いや、織田が整えていったのだ。特に意識したのは福利厚生だ。

20時半以降の残業はなし。出勤時間も就業9時の15分前より前に来ることはNGとした。NO残業デイは月に2回。家族手当は配偶者が1万5000円、子供は第一子で5000円、そこから1人増えるごとに5000円上積みとした。妻と4人の子供がいる社員は、家族手当だけで5万5000円も支給されることになる。有給消化率は100%で年間休日は127日以上。大企業並の福利厚生だ。

半年後に倒産すると言われていた状況からわずか2年あまり。事業内容、社内体制、働く環境など、会社は大きく変わった。