story online

メルセデス・ベンツAMG日本一のセールス  「お客様の喜びのために自分には何ができるか」  顧客に最高の価値を提供し続ける

渡邊 純一Watanabe Junichi

株式会社シュテルン中央

営業部次長/AMGセールスエキスパート/MB国際認定セールス 

チーム力を生かし、不採算店舗の売り上げを200%に!大切なのは顧客の思いを「聴く」こと

入社後は、車用品店にあるオーディオ機器の販売を担当した。アルバイト時代の「一番を取って、さらにその先に」という、渡邊の販売に対する情熱は、ここでも燃え続けていた。お客様に購入してもらうために、一番大事なのは「ヒアリング」。お客様が何を必要としているのかに、じっくりと耳を傾け、その後に提案する。そのスタイルを日々の仕事の中で磨き上げていった。研鑽を重ねて3年目、なんと渡邊の勤務する店舗は彼の力によって売り上げが倍増。その実績を買われ、渡邉は数ある店舗の中で立地が良いのに売り上げが下から3、4番目となっている新店舗のテコ入れを頼まれたのだ。そして本社の期待を大きく上回り、異動後1ヶ月という期間で売り上げ前月比200%を達成。その後3年間で全店舗中で3位にまで売り上げを伸ばし続けたのだった。当時を振り返り、渡邊はこう語る。
「僕が一人で達成したように言われましたが、そうではないんです。販売する人間ひとりだけじゃ、できることは限られている。だから、一番を目指して身につけてきたものを、働く仲間に伝えたんです。例えば10人がそれを身につけることができれば、売り上げは当然倍以上になる。そう考えて、閉店後に仲間を集め、勉強会を何度も行い、売れるための教育とシステムを構築していったんです。」

「後にも先にも私以外に知りません。」入社10日前から丁稚奉公で業務スタート。

9年間働いた車用品店。その関わる店舗の売り上げを次々と飛躍的に伸ばし、様々な記録を打ち立ててきた渡邊には、マネージャー職への声がかかっていた。しかし彼がその職に就くことはなかった。渡邊の仕事ぶりについての噂は社内に留まらず、聞きつけた企業からヘッドハンティングの声がかかったのである。

「当時尊敬していた先輩に相談すると『せっかくやるなら1位を狙える環境・立地で挑戦してみたら。』と言われました。やるからには一番が取れるような場所、東京のど真ん中でやりたい、と思って株式会社シュテルン中央への転職を決意しました。」

「入社の前に上司に『入社10日前から無給で構わないから先に働かせて欲しい。』とお願いしました。10日間の猶予の中で出来る限りの仕事を覚えて良いスタートを切りたかったのと、今までは指示をする立場で仕事をしていましたが、入社後は立場も一番下です。指示されて仕事をする期間を少しでも短くしたかったんです。後にも先にも、入社の10日前から丁稚奉公をする人間は私以外に知りません。」

しかし、ここまでの意気込みと覚悟で転職を決めた渡邊に、これまでの人生でもっとも過酷な状況が待っていた。
「入社してから3ヶ月の間、まったく売れませんでした。前職でこれだけ結果を出せたのだから、ここでも一番を取れると。ちょっとしたカー用品やグッズを売るという事と、車を売るという事とは本質が違っていたんです。車は人生に密着したもの。そんなに気楽に買うものではない。自分の甘さを痛感しました。今までの築いてきた自信が音をたてて崩れていくのがわかりました。」

大変なことになったと思った。転職は結婚式1ヶ月前での決断だったからだ。守るものができた今、ここで職を失う訳にはいかない。「止めてもどうせやるんでしょ。」と笑って自分についてきてくれた妻のためにも、失敗はできないという思いがこみ上げた。これまでにないほどに追い詰められ、人生で初めて胃薬を買った。しかし、胃の痛みよりも感じていたのは、どうしようもないほどの悔しさだ。これまでトップを走ってきた自分が、全く歯が立たない状況にいることが情けなく、悔しかった。さらに追い討ちをかけるように、母親が癌を患い入院、闘病生活に入った。