全ては顧客の成功の為に。男性経営者のイメージ戦略を包括的に提供

これからも成長を応援し続けていく

2011年には、渋谷にフィッティングルームを移転。顧客の会社を訪問するスタイルから、来店してもらうやり方に一新した。時間的にも気持ち的にも、顧客が落ち着いてカウンセリングを受けたり、生地を見たりできるようにだった。

アクセス的な利便性や、オーダースーツ屋として積み重ねた実績と認知度、口コミによる紹介などによって、ハリースタイルへの依頼は増え続けていった。伊藤も同社に欠かせないフィッターとして、岡本に負けず劣らない活躍をしている。

だが決しておごらず、常に次のステージを見据え続けている。

「もっとフィッターとして力をつけていきたいですね。弊社では20万円以上の製品をお求めになるお客様が沢山いらっしゃいます。金額が高い分、お客様の求める価値や期待も上がります。それにお応えできるよう、日々勉強したり、もっと数をこなしたりして、常に上のレベルを目指していきます」

フィッターでありながら、伊藤は二児の母でもある。保育園に通う子どもの迎えがあるため、時短勤務で働いている。以前と違い、限られた時間のなかでパフォーマンスを発揮すべく、以前とは働き方や仕事の組み立て方も変わってきた。時間をいかに有効活用するか、タイムマネジメントの意識も高まったという。

もちろんそういった変化のなかでも、ハリースタイルや伊藤の目指すビジョンは変わらない。巷にオーダースーツショップは増加し、競争が厳しくなっている。そのためスーツだけでなく、プラスアルファのサービスの提供など、新しいアプローチで顧客の成功を支援していくことを目指しているのだ。「お客様がより輝いて、次のステージに進むお手伝いができれば。そして結果的に、弊社の成長にもつながれば、何よりうれしいです」伊藤はそう話し、満面の笑みを浮かべた。

ハリースタイルが創業し13年が経ち、当時からの顧客の多くは、役職が上がったり、起業したりしている。オーダースーツとともに成長してきた、といっても過言ではないだろう。そして今度は、彼らの部下や子どもたちが、ハリースタールのスーツに袖を通すのかもしれない。そんな人々の成長を、伊藤はこれからも応援し続ける。